業平松



地元には、業平と斎王のとどかぬ恋の物語がつたえられております。
今回は、その話を楽しんでください。

 在原業平(ありわらのなりひら)は、ある日都からの使いで、伊勢の国へやって来ました。

 その宿泊さきである斎王宮で、伊勢神宮に使える斎王(恬子内親王…やすこないしんのう)に会いました。

「なんと美しい人だろう」と、業平は一目ぼれをしてしまいました。
つぎの夜、募る思いに眠れず月をながめていたそうです。

 ところが、その熱い思いが通じたのでしょうか、聖なる女性として神に仕える斎王が、禁を破って業平のもとへ忍んできたのでした。

 一夜明けて、一通の歌が斎王から届きました。
「ゆうべのことは夢であったのでしょうか」
そこで、業平も歌を返しました。
「夢であったかどうか今夜もう一度会いたい」

 けれど、その夜は歓迎の宴で会うことができず、業平は尾張の国へ行かなければならなくなりました。
 斎王は、業平を大淀の松まで送り、悲しみの心を歌を詠み交わしました。斎王が
「かちびとの、わたれどぬれぬえしあれば」とよみ、業平が
「またあふ坂の関は越えなむ」と答えたそうです。

 しかし、二人はこれっきり二度と会う事が出来なかったというこです。

 この話に登場する、大淀の松が業平松です。
 現在のものは三代目で、地元業平松保存会の手で植えられ、付近は業平公園として地元の人達に親しまれています。
 こちらにお越しの際には、ぜひお立ちよりいただきたいおすすめスポットです。



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